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2026/09/18(金)

【9月25日登壇】難しくなった今、高性能賃貸の次の答えを探す

【9月25日登壇】難しくなった今、高性能賃貸の次の答えを探す

こんにちは、Kizuki(小泉木材)代表の小泉です。

9月25日、東京大学で開催される「高性能賃貸研究会」のシンポジウムで、再びお話しさせていただくことになりました。

今年3月11日の第6回シンポジウムでは、「高性能が生む余白を次世代に届ける賃貸事業」というテーマでお話ししました。

高性能化によって生まれる価値を、住む人、貸す人、つくる人、そして未来へと再分配していく。そして、その価値を住宅ストックとして次の世代へ引き継いでいく。

それが、私たちがこれまで考えてきた高性能賃貸事業です。

 

お知らせ

09月25日開催_ 高性能賃貸研究会 第7回シンポジウム

日時:2026年9月25日(金)13:00〜18:00
形式:リアル会場+オンラインのハイブリッド
会場:東京大学 本郷キャンパス 工学部1号館 15号講義室
お申し込み:https://forms.gle/yM22Kpt9aUFFjFn69

 

オンラインおよびリアル(東京大学工学部1号館15号講義室)のハイブリッド形式です。
オンラインご希望の方には、当日朝までに事前ウェビナーのURLをメールにて送付いたします。
リアルご参加の方は、定員を超えた場合のみ、1週間前を目途にオンライン参加の旨ご連絡します。

 

あれから半年、ゲームが変わった

 

あれから、およそ半年。

現在進めている高性能賃貸プロジェクトは、そのまま前へ進めています。一方で、新たな土地取得を伴う次の計画については、歩みを進める前に、計画そのものを組み直しています。

諦めたからではありません。

ここに来て、明らかなゲームチェンジが起きたと感じているからです。

金利は上昇し、土地価格も上がり、建築費もさらに上昇している。これまでと同じルール、同じ戦い方の延長線上で、ただ前へ進めば成立するという状況ではなくなりました。

私たちにとって、高性能賃貸事業はいま、一つの踊り場に差しかかっている。そんな感覚を持っています。

本来であれば、新しい土地を探し、次の一棟を考え、また新しい答えを試していきたい。これまで私たちは、そうやって前へ進んできました。だからこそ、進めたいのに進めない今の状況には、正直なところ悔しさもあります。

もちろん、良い土地の情報はこれまでと変わらず探し続けています。

止めているのは事業ではなく、これまでの解き方です。

 

 

もともと、簡単な事業ではなかった

これまで取り組んできたKizuki Terracehouseも、決して簡単な事業ではありませんでした。

高価格な土地を取得し、そこに高性能な賃貸住宅をつくり、賃貸経営として成立させる。

土地取得、資金調達、設計、建築コスト、家賃設定、客付け、そして長期的な資産価値。それらを組み合わせながら、その時点で成立する答えを探してきました。

賃貸事業者としてまだ経験の浅い私にとっては、最初から攻略の難しいハードゲームだった、という感覚があります。

それでも、自ら土地を取得し、建て、貸し、運営することで、少しずつ見えてきたものがありました。

ところが今は、その難易度がさらに上がっています。

言葉を選ばずに言えば、ただでさえ難しいゲームが、さらにハードモードへ移行した。そんな状況です。

 

 

ゲームが変われば、戦い方も変えなければならない

だからといって、このまま同じ戦い方で押し切ればよいとは思っていません。

ゲームが変わったのであれば、戦い方も変えなければならない。

何がまだ通用するのか。
何が通用しなくなったのか。
何を守り、何を変えるのか。
どんな戦術が必要なのか。
あるいは、戦術だけではなく、戦略そのものから見直すべきなのか。

前へ進み続けることだけが、挑戦ではありません。

変化を認識し、一度足元を確認し、次の一手を組み直す。今は、そのための時間だと捉えています。

 

 

短期合理性と中長期合理性を、同時に成立させる

この局面で改めて難しいと感じているのが、短期的な合理性と中長期的な合理性を、どう同時に成立させるのかということです。

目の前の事業収支だけを考えるのであれば、初期投資を抑え、建築コストを削り、短期的な利回りを優先することには合理性があります。

一方で、住宅は30年、50年、その先まで残っていくものです。

性能を高めること。
長く選ばれる住環境をつくること。
維持管理しながら建物の価値を残していくこと。
そして、良質な住宅ストックを次の世代へ渡していくこと。

中長期で見れば、こちらにも明確な合理性があります。

ただ、一見すると、この二つは相反します。

短期の数字を追えば、中長期の価値を削りたくなる。中長期の理想だけを追えば、目の前の事業そのものが成立しなくなる。

けれど、どちらか一方を選べばよい話ではありません。

目の前の事業を成立させる短期合理性と、時間をかけて価値を生み出す中長期合理性を、一つの事業の中で成立させる。

今、私たちが解かなければならないのは、まさにそこなのだと思っています。

 

100年後のために、今を犠牲にはできない

 

 

私たちは、「100年後の子どもたちに責任を持ち、豊かにする」ということを掲げています。

だから、長く価値が残る住宅をつくりたい。良質な住宅ストックを次の世代へ残したい。その考えは、これからも変わりません。

けれど同時に、「100年後の子どもたちのために、目の前にいる仲間たちを犠牲にすることはできない」とも考えています。

未来のためという言葉を掲げながら、今の会社が無理をし、利益を失い、働く仲間やその家族に負担をかけてしまったら、それは本末転倒です。

100年後を考えるからこそ、今の会社も持続しなければならない。

未来への責任と、現在への責任。
社会の持続可能性と、経営の持続可能性。

そのどちらかを選ぶのではなく、同じ方向に向けていく。

それができて初めて、私たちが掲げる理念は、事業として続いていくのだと思っています。

 

 

難しい条件の中で、どう成立させるのか

もし、高性能賃貸が、低金利で、土地も建築費も今より安かった時代にしか成立しないのであれば、一部の先進的な事例のままで終わってしまいます。

だからこそ、今までと同じ答えに固執するのではなく、もう一度解き直す必要があります。

性能をどう守りながら、面積、土地の取得方法、資金調達、家賃の考え方を組み替えていくのか。あるいは、これまでとは違う価値や仕組みを、事業の中に組み込むのか。

高性能であることと、事業として成立すること。
短期的に成立することと、中長期に価値を残すこと。
未来に責任を持つことと、今に責任を持つこと。

それらを対立させず、一つの事業の中で成立させていく。ここを解かなければ、高性能賃貸は次の段階には進めないと思っています。

今年3月のシンポジウムでは、「高性能賃貸のファイナルアンサーを求めて」というテーマが掲げられていました。

半年経った今、私自身が感じているのは、その答えは固定されたものではないということです。

市場も変わる。
金利も変わる。
建築費も変わる。
暮らす人の価値観も変わる。

だから、事業の解き方も更新し続けなければならない。

私たちの役割は、過去の成功事例を語り続けることではありません。条件が変わったときに、その条件でも成立する方法を自分たちで考え、試し、その途中にある難しさや迷いも共有していくことだと思っています。

 

 

異なる業界が交わる場所にいる

そして最近、もう一つ強く感じていることがあります。

私たちは、工務店業界のメインストリームにいるわけではありません。一方で、大家や不動産投資の世界のメインストリームにいるわけでもありません。

工務店でもあり、大家でもある。
建築と収益。
性能と事業性。
その両方を考える。

つまり私たちは、異なる業界が交わる場所にいます。私は、そこに意味があると思っています。

歴史を振り返ってみても、大なり小なり、社会や文化の変化は、異なる文化、価値観、技術が交わる場所から生まれてきました。

一つの業界の中で当たり前になっていることも、違う世界の視点を持ち込むことで、「本当に、それが当たり前なのか」と問い直すことができる。

工務店、大家、建築、金融。それぞれの考え方を持ち込み、もう一度組み直す。

高性能住宅をつくってきた工務店が、自ら土地を買い、借入をし、事業リスクを負い、大家になる。大家として収益性を考えながら、工務店として住宅性能や住環境を諦めない。

その二つの立場を行き来するからこそ、見えてくる答えがあります。

もしかすると、賃貸住宅を高性能化していく役割は、どちらか一つの業界の中心にいる存在ではなく、異なる世界の間にいる私たちのような存在に回ってきたのかもしれない。

最近、そんなふうに考えています。

 

9月25日、高性能賃貸の次の答えを探す

9月25日、東京大学で開催される高性能賃貸研究会のシンポジウムでは、3月の講演からさらに一歩進み、「難しくなった今、高性能賃貸の次の答えを探す」という視点からお話ししたいと思っています。

なぜ今、次の計画を組み直しているのか。
この半年で起きたゲームチェンジをどう捉えているのか。
短期合理性と中長期合理性を、どう同時に成立させていくのか。
そして、その中で何を守り、何を変えていくのか。

完成した答えを披露する場ではありません。私たち自身が、まだ答えを探している途中です。

だからこそ、その現在地を共有しながら、工務店、設計者、大家、不動産事業者、金融関係者など、異なる立場の皆さんと一緒に、次の高性能賃貸について考える時間にできればと思っています。

異なる業界が交わる場所から、新しい答えを探す。そして、未来への責任と、現在への責任を、同じ方向に向けていく。

その先に、賃貸住宅の当たり前を少しずつ変えていけるのではないかと思っています。

当日は、東京大学の会場とオンラインをつないだハイブリッド形式で開催されます。

高性能賃貸に関心のある皆さま、ぜひご参加ください。

 

お知らせ

09月25日開催_ 高性能賃貸研究会 第7回シンポジウム

日時:2026年9月25日(金)13:00〜18:00
形式:リアル会場+オンラインのハイブリッド
会場:東京大学 本郷キャンパス 工学部1号館 15号講義室
お申し込み:https://forms.gle/yM22Kpt9aUFFjFn69

 

オンラインおよびリアル(東京大学工学部1号館15号講義室)のハイブリッド形式です。
オンラインご希望の方には、当日朝までに事前ウェビナーのURLをメールにて送付いたします。
リアルご参加の方は、定員を超えた場合のみ、1週間前を目途にオンライン参加の旨ご連絡します。

 

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