こんにちは、<Kizuki>の小泉です。今回は母体である材木屋にちなんで、豆知識をお届けいたします。第11回目は、小屋筋交いについてです。
■目には見えない小屋筋交い
皆さんは小屋筋交いをご存じでしょうか。
2階建て住宅であれば、1階や2階の壁において、地震や強風といった水平力に対して耐える部材として筋交いを設置するということは、耳にされたことがあるのではないでしょうか。これらは、地震では建物重量、強風では外壁の見付面積を算定し、構造計算から所定の壁量を確保するために、筋交いを配置するということになります。
しかし、小屋梁より上のライン、つまり小屋裏に関してはどうでしょう。建築基準法施行令第46条3には、次のように記載されています。
「床組及び小屋ばり組の隅角には火打材を使用し、小屋組には振れ止めを設けなければならない。ただし、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。」(原文のまま)
ただし書きの前までを読んでみると、「床組及び小屋ばり組の隅角には火打材を使用し、小屋組には振れ止めを設けなければならない」とあります。つまり、構造計算をしないのであれば、小屋組みにも振れ止め、いわゆる小屋筋交いを配置する必要があるのです。
あまり意識しない箇所なのかもしれませんが、小屋裏部分は小屋梁や屋根仕上げの下地になる母屋・棟木・垂木、それらを支える小屋束で構成されています。そのため、地震や強風に対する補強が必要で、その役目をするのが振れ止めとなる小屋筋交い(雲筋かい)なのです
昨今、屋根形状も片流れが多くなってきました。<Kizuki>としても、外周に面するところは、外周面材MOISS(モイス)、内周部では可能な限り小屋筋交いなどを配置しています。なかなか目に見えない箇所ではありますが、現場見学会で軸組を見る機会がありましたら、ぜひ注目してみてください。