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2026/07/31(金)

高性能賃貸を建てて、1年後に思うこと Kizuki Terracehouse 桜台のその後

高性能賃貸を建てて、1年後に思うこと  Kizuki Terracehouse 桜台のその後

賞の先にある価値。時間を味方につける家づくり

こんにちは。Kizuki(小泉木材)代表の小泉です。

Kizuki Terracehouse桜台(キズキテラスハウス サクラダイ) が、第9回日本エコハウス大賞でグランプリをいただいてから、まもなく1年が経とうとしています。

最終ノミネートの発表が2025年7月10日。そして最終プレゼン審査会を経て、グランプリの評価をいただいたのが同年9月19日のことでした。それは、私達にとって本当に大きな出来事でした。

けれど、今あらためて思うのは、あの評価はゴールではなかったということです。むしろ、そこからが始まりでした。なぜなら、住宅の価値は、完成した瞬間や賞をいただいた瞬間には、まだ決まらないからです。家は、そこに人が住み、日々の暮らしが積み重なり、季節が巡り、家族の時間を受け止め続けて、はじめて本当の価値が見えてくるものだと思います。

 

 

高性能賃貸の本質は「暮らしの背景」になること

Kizuki Terracehouse 桜台は、私達にとって初めての高性能賃貸でした。設計にも、性能にも、素材にも、相応の覚悟を込めました。

UA値、C値、断熱、気密、窓、換気、自然素材、日射、外構、地域との関係性。つくり手として語ろうと思えば、いくらでも語れる要素があります。けれど、この1年を経て私が一番感じているのは、少し違うことです。

それは、「高性能賃貸とは、性能を見せるための賃貸住宅ではない。住まい手の暮らしから、余計な不安や我慢を静かに取り除いていくための器である。」ということ。

夏や冬の温度に我慢し、家の中の温度差に、体が削られなくていい。

光熱費の不安を、必要以上に抱えなくていい。

子どもが床に座っていても、安心して見ていられる。

家に帰ると、自然と気持ちが落ち着く。

こうしたことは数値だけでは表現しきれません。けれど、住宅が本当に支えるべきものは、実はそのような、言葉にしづらい日常の質なのだと思います。

 

 

「持ち家なら暖かく、賃貸なら我慢する」を変える

性能の高い住まいは、確実に暮らしを変えてくれます。これは、私達がこれまで新築住宅や断熱改修に取り組む中で、何度も実感してきたことでした。

だからこそ、賃貸住宅でも同じはずだと思っていました。家を所有しているかどうかで、健康や快適さに差があってよいはずがありません。「持ち家なら暖かく、賃貸なら我慢する」「持ち家なら長く大切にされ、賃貸なら消費される」。そんな住宅のあり方を、どこかで変えなければならない。桜台は、その問いに対する私達なりの実践でした。

一方で、想像と少し違ったこともあります。それは、住まい手の方々が、性能を「性能」として意識し続けているわけではないということです。

私達つくり手は、どうしても数値や仕様で説明したくなります。しかし、暮らしが始まると、性能は前に出続けるのではなく、静かに背景へ退いていきます。そして住まい手にとっては、「なんとなく心地よい」「朝起きた時につらくない」という感覚として、日々の中に溶け込んでいくのです。

住宅の性能は、暮らしの主役になるためにあるのではありません。住まい手の人生が主役であり続けるために、性能が下支えをする。高性能住宅の本質は、そこにあるのではないでしょうか。

 

 

社会のOSが変わった時代に、私達が選ぶ道

この1年、社会の状況はさらに厳しくなりました。資材価格の高騰、金利の上昇、人件費の上昇、そして中東情勢の緊迫化による原材料の不安定さ。

ただ、私はこれを一時的な「ショック」だとは捉えていません。ウッドショック、コロナショック、資材高騰。状況が名前を変えて繰り返されるたび、私達は「いつか元に戻る」という前提で対処してきました。けれど、本当に変わったのは価格だけではなく、その前提、つまり社会のOSそのものではないでしょうか。

目の前の建築費だけを見れば、仕様を下げることは短期的には合理的に見えるかもしれません。できるだけ安くつくり、表面利回りを高く見せ、初期投資を抑える。それは分かりやすい判断です。

けれど、私は桜台のその後を見ながら、むしろ逆のことを考えるようになりました。これだけ社会が不安定になっているからこそ、住宅は長く価値を失わないものでなければならない。

エネルギー価格が上がっても、暮らしの負担を抑えられること。

気候が厳しくなっても、家の中で安心して過ごせること。

建築費が上がっても、30年後、50年後に「残す価値がある」と思えること。

これからの家づくりに必要なのは、単に今を安く済ませることではなく、「時間を味方につけること」です。

 

 

100年後の子どもたちへ、価値ある社会資産を

短期の収支表には表れにくいもの――
住まい手の健康、日々の安心、家族の機嫌、地域に残る風景、子どもたちの記憶。そこにこそ、住宅が社会に果たすべき役割があります。

高性能賃貸は、特別な人のための贅沢ではありません。持ち家を持てる人だけでなく、賃貸で暮らす人にも質の高い住まいの選択肢がある社会へ。私はそれを「住宅を通じた豊かさの再分配」だと考えています。

小泉木材の志は、「100年後の子どもたちに責任を持ち、豊かにする」ことです。今を生きる人の暮らしを豊かにしながら、その豊かさが次の世代にも残っていくようにする。その積み重ねこそが、未来への責任です。

Kizuki Terracehouse 桜台は、まだ始まったばかりです。10年後、20年後、30年後に、この建物がどう受け止められているのか。住まい手が変わり、社会が変わっても、なお「残す価値がある」と言えるのか。

高性能賃貸という挑戦は、性能値を競うためではなく、賃貸住宅を消費される箱から「未来に価値を渡していく社会資産」へ変えていくための挑戦です。

住宅は、完成した瞬間よりも、その後の時間の方が長い。だからこそ私達は、時間に耐える家ではなく、時間を味方につける家をつくり、その先にある豊かを次の世代へ手渡していきたいと思います。

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神奈川・横浜・湘南エリアで、高断熱・高気密の木の家を建てるならKizuki(小泉木材)

断熱等級7・耐震等級3の性能に加え、国産木材を活かした住まいで、
家族が心地よく、長く安心して暮らせる住環境を。
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