2026/10/02(金)
子どもの目線から考える家づくり

こんにちは、〈Kizuki〉代表の小泉です。
家づくりの打ち合わせで、私たちが直接お話しするのは、多くの場合、お施主様である大人の方々です。
土地や予算、部屋数や収納、断熱性能や耐震性能。そして、これからどのような暮らしをしていきたいのか。何度も対話を重ねながら、一つの住まいをつくっていきます。
けれど、その家で生まれ育ち、人生の土台となる時間を過ごすのは、お子さんたちでもあります。
お子さんは、自分で家を選ぶことができません。間取りや素材、その家にどれだけのお金をかけるのかを決めることもありません。それでも、その家で親御さんから愛情を受け、家族との時間を重ねながら、一人の人間として育っていきます。
だから私たちは、今、目の前にいるお施主様だけでなく、その家で育つお子さんの目線も忘れずに、家づくりを考えたいと思っています。
お子さんの記憶に残るのは、間取り図ではない

お子さんは大人になったとき、育った家のことをどのように思い出すのでしょうか。
いつもお父さんが仕事をしていた場所や、春になると家族で写真を撮った場所。そんな日々の光景が、ふと思い出されるのかもしれません。
お子さんの記憶に残るのは、リビングが何畳あったか、収納が何か所あったかということではないでしょう。
そこに誰がいて、どのような表情をしていたのか。どんな言葉を交わし、その後ろにはどのような風景があったのか。親御さんから受け取った愛情は、日々の暮らしや家の風景と結びつきながら、お子さんの中に刻まれていきます。
私は、それを「未来の記憶」と呼んでいます。
今この瞬間は、まだ記憶にはなっていません。
しかし、何十年か先に育った家を振り返ったとき、家族と過ごした時間が一つの風景としてよみがえる。
私たちは今の暮らしを設計しているようでいて、実は、未来に思い出される記憶をつくっているのだと思います。
愛情が伝わる「距離」を設計する
親御さんがお子さんを大切に思う気持ちは、日々の小さな行為を通して少しずつ伝わっていくものです。
顔を見て声を掛け、話を聞く。一緒に食事をし、何でもない時間をともに過ごす。そうした毎日の積み重ねから、お子さんは、自分が大切にされていることを感じ取っていきます。
そのため家づくりでは、家族が自然に顔を合わせ、言葉を交わせる距離を考えることも大切です。
お子さんが帰宅したとき、家族のいる場所を通って自分の部屋へ向かう動線。親御さんが家事をしながら、遊んだり勉強したりする様子を見守れる場所。
一方で、お子さんの成長とともに、一人で過ごす時間や、自分だけの場所も必要になります。
近づくことも、離れることも選べる。家族とのつながりを残しながら、一人にもなれる。一人で過ごしていても、家族の存在が完全には途切れない。
私たちは、部屋の数や広さだけでなく、そうした家族の距離まで設計したいと考えています。
吹き抜けがつなぐ、家族の気配

私たちが吹き抜けを大切にしているのは、単に室内を広く見せるためではありません。
上下階に分かれて過ごす家族の気配をつなぐ場所にもなります。
1階のキッチンに立つ親御さんの声が、2階で過ごすお子さんに届く。2階から聞こえる笑い声が、リビングにいる親御さんの耳に入る。直接姿が見えなくても、家のどこかに家族がいることが分かります。
お子さんが2階から「今日ね、こんなことがあったよ」と話しかけると、親御さんが1階から「そうなんだ。それでどうしたの?」と応える。
同じ部屋に集まらなくても、家の中に小さな会話が生まれる。こうした何気ないやり取りはお子さんの中に、経験として残っていきます。
私たちにとって吹き抜けは、機能的な役割を果たすだけでなく、家族の気配と会話をつなぎ、親御さんの愛情が伝わる機会を育てる、大切な設計手法の一つです。
家族の姿と、その後ろにある風景
人の記憶は、出来事だけで残るものではありません。いつもその後ろにあった家の風景も、大切な記憶の一部になるのだと思います。
食卓の向こうに見えた庭の木や、床に伸びていた夕方の光。雨の日に眺めた濡れた庭、冬の朝の静けさ。季節ごとに表情を変える一本の木も、家族の記憶に重なっていきます。
だから私たちは、窓を設けるとき、その先にある風景まで考えます。
暮らしの背景として何が見えるのか。食卓に座ったとき、どのような景色が広がるのか。
人と人との関係だけでなく、人と風景、空間と空間の関係まで考えていく。それが、私たちの設計です。
豊かな記憶を、次の誰かへ

お子さんのための家づくりというと、子ども部屋の広さや収納、勉強スペース、安全性などが語られることが多くあります。もちろん、それらも大切です。
ただ、私たちが考える「お子さんの目線からの家づくり」は、もう少し先まで見つめています。
その子が大人になったとき、どのような家族の姿を思い出すのか。親御さんの声は、どの場所の記憶と結びついているのか。季節が巡るたびに、どのような時間がよみがえるのか。
家族との暮らしを通して豊かな記憶を受け取った子どもたちが、今度は誰かの記憶を豊かにしていく。一つの家庭で生まれた豊かさが、次の家庭へ、地域へ、未来へと手渡されていく。
私は、これを「豊かさの再分配」だと考えています。
一軒の家で育まれた豊かさが、その家族だけで終わらず、やがてまちや社会を豊かにしていく。私たちは、本気でそう信じています。
だから私たちが設計したいのは、単にお子さん向けにつくられた空間ではありません。
親御さんの愛情が日々の暮らしを通して伝わり、その子の人生に「未来の記憶」として残る家です。
家づくりは、今暮らす人のためだけにあるものではありません。そこで育つお子さんの人生と、その先の未来にまで、静かにつながっています。
何十年か先、ふとした瞬間に思い出される家であること。その記憶が、次の誰かの豊かさへつながっていくこと。
それが、私たちの考える家づくりです。
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よくある質問
もちろん、土地探しの段階からご相談いただけます。
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小泉木材では、地域工務店ならではの土地勘もお伝えしつつ、お客様と二人三脚で理想の土地選びをお手伝いしています。「まだ土地が決まっていない」「候補地はあるけれど建てられるか不安」という段階でも、お気軽にご相談ください。土地探しから家づくりまで、一貫してサポートいたします。
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資金計画のプランニングなどもお気軽にご相談ください。
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