こんにちは、<Kizuki>の小泉です。
今回は、<Kizuki>が建てる家の性能のうち、構造計算の重要性についてお届けします。材木屋だからこそ「後世までつなぐ価値ある住まい」に向けて、重要な項目であると認識しています。
■<Kizuki>の住宅は全棟構造計算(許容応力度計算)を実施
<Kizuki>が建築する住宅はKS構法※とし、全棟構造計算(許容応力度計算)を実施。地震や台風がもたらす水平力に加え、建物自身の重さや上部から下部へ伝達される力に対して必要な柱や梁などの断面算定をし、建物の安全性を確固たるものとしています。
この構造計算(許容応力度計算)の基準をクリアすることで、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」における耐震等級の表示が可能になります。
地震などに耐えられる性質を耐震性、台風などの強風に耐えられる性質を耐風性と呼んでいます。平成12年に制定された品確法から、耐震等級、耐風等級といった等級が設定され、耐震等級3、耐風等級2が日本の住宅における構造の最高等級とされています。
一方、建築関連における法律として、建築基準法があります。建築基準法とは、建築物の敷地・設備・構造・用途についての最低基準として、昭和25年5月に制定されたものです。
建築基準法では、木造住宅に限り2階建て以下において、軽微な計算で筋交いなどの壁量およびそのバランスが基準をクリアすることにより、確認申請受領が可能となるのです。
※KS構法と木造軸組工法(在来工法)
木造軸組工法(在来工法)とは、柱、梁、筋交いを中心とする骨組みであり、柱と梁は仕口加工で接合されます。しかし、近年の職人不足や生産効率アップを求められることから、機械によるプレカット加工が主流となり、連結部分の断面欠損が大きくなることから、安全面で疑問視されるようになりました。そのため、木材に狂いが生じにくく、割れや反りの少ない安定した品質を確保できる集成材が多く採用されています。
KS構法は地域貢献も加味して、骨組みに国産の無垢材(スギやヒノキなど)を使用しています。仕口加工の断面欠損を解消させるためには集成材が適していますが、木構造生産技術研究所で開発されたKSジベルを採用し、無垢材の短所である木痩せによるボルトの緩みや金物のめり込み不安を解消させることで、その問題点を解決させました。
■消防署や警察署と同等の最高等級で設定
では、なぜ耐震等級3といった最高等級の構造計算が必要なのでしょうか。
建築基準法の耐震基準をクリアした構造計算とすれば耐震等級1となります。耐震等級2であれば1の1.25倍、耐震等級3では1.5倍の強度を計算で与えて、必要な耐力壁を算定しています。
消防署や警察署など、救護活動や災害復興の拠点においては、耐震等級3が求められています。つまり、これらと同等の強度を持ち合わせた住宅を建築しているのです。
平成21年6月4日には「長期優良住宅の普及の促進に関する法律(通称:長期優良住宅)」が施行されました。特に耐震性では、耐震等級2以上の強度を与えた構造計算が必要となり、「耐力壁の壁量」、「耐力壁の配置バランス」など6項目をクリアした骨組みで住宅を建築しています。耐風性も考慮していますが、耐震性が優先とされるのが現状です。
<Kizuki>としては、「後世までつなぐ価値ある住まい」を目指していることもあり、1ランク上の最高等級とされている、耐震等級3で構造計算を実施しています。構造部材にはスギやヒノキといった無垢材を使用していますが、構造計算の根拠に基づいた骨組みとしています。<Kizuki>の住宅には、計算から裏付けられる安心が備わっています。